写真家・カメラマンにとって一番大事なことは何でしょう?
ここが一番大事なところなのでしっかり記憶に止めておいてください。
カメラマンにとって一番大事なことは Style つまり「個性」です!
📷これは正直なところ日本ではあまり聞かないのですが、海外ではこのスタイルというのが写真家の生命と言っても過言ではありません。
日本ではとかく個性よりも「しっかり・確実に・間違いなく」撮ってくれる。というようなことが重視されます。日本のほとんどの雑誌や広告を見ればそれはよくわかります。
雑誌のほとんどのページはそれほど個性を出す必要のない内容です。逆に個性があれば嫌がられるケースも多々あります。その写真家が担当したページが他と比べて浮いてきたりするのを嫌うからです。
巻頭のページや特集のページなどはそれなりに名の出た写真家が個性のある写真を撮ることもありますが、撮れるとしてもそのくらいです。
商品撮影に至っては特に個性よりも確実性が求められます。要するにどのクライアントも再撮(さいさつ)をしたくないのです。再撮には時間とお金がかかります。そして、そのカメラマンを選んだ編集者、アートディレクターの責任問題にもなるのです。
📷私が日本で仕事を始めた頃、時々他人の写真を見せられて「こういうライティングで、こういう感じで撮ってください!」と言われました。このようなことは欧米ではまずありえないことです。欧米の雑誌などでは絶対にありえないと思います。
欧米では写真家はスタイル(個性)で選ばれます。スタイルはその人の命です。よって、その個性がこの仕事には適しているということで選ばれたわけですから、その個性を最大限に尊重します。
ライティングや撮り方など全て任せてくれます。一旦選ばれれば写真家が全てしたいようにさせてくれます。そうでないとその写真家を選んだ意味がないからです。
同じりんご一つでも10人の写真家が撮れば一つとして同じ写真は出てこないと思います。これが「個性」です。人間みんな違うということです。
Style・個性はどうやって身につくのか?
⭐️個性というのはそう簡単に身につくものではありません。普通の人間であれば「これが自分の個性だ」という写真が撮れるようになるまでにかなりの時間がかかります。試行錯誤してただただ撮り続ける以外にはないのです。
撮っていくうちになんとなく自分のスタイルというものが見えてくるものです。でもこの「個性」に出会うまでに一生かかる人もいます。その反面、撮り始めた時から何か不思議な「個性」を持った人もいます。写真はアートなのです。才能が関係してきます。
「個性」はある意味残酷なものです。どれだけやったからこうなる、、というわけではありません。初めて間もないのに「個性」豊かな写真を撮る人間がいるかと思えば、何年たってもダメな人間もいます。写真は何年やったかということではいい悪いは言えないのです。
⭐️もちろんプロになるのであれば、最低限のテクニカルな面を習得しないといけません。自分の「個性」を生かす、作り出すライティングを設置しなくてはいけないからです。
覚えなくてはいけないテクニカル的なことはたくさんあります。でもテクニックに走ってしまってもいろいろと問題も出てきます。決して過剰にテクニックに走らないようにしてください。
必要最小限のプロとしてのテクニックを身につけることは絶対に必要ですが、十分会得したと思えば「個性」の確立に没頭すべきだと思います。